友人に借りた10万円。心の込められた借金

友人に借りた10万円。心の込められた借金

当時予備校生だった私は
上京して予備校の寮に入り、初めての東京での生活にのぼせ上がっていました。

 

 

田舎から出てきた10代の何も知らない私が目的であるはずの受験を忘れて
都会に汚染されていくのに時間はかかりませんでした。
私はパチスロと麻雀にのめり込んでいき毎日のように通いつめました。
しかし幸運というべきかそれとも悪運というべきか
またはビギナーズラックというべきか
なぜかマイナスになることは殆ど無く
少額ではありましたが黒字をキープしていったのです。

 

 

それに味をしめてしまった私は更にのめり込み
結局負けるまで麻雀を続ける
という最悪のパターンへと落ちていきます。

 

 

予備校生の資金力などたかが知れています。
私はあっという間にお金を失い、最終的に友人からお金を借りる
という選択をしました。

 

 

しかし結果は当然惨敗・・・。
借りた10万円はあっという間に失いました。
そしてお金を貸してくれた友人から言われました。
「金は返せる時でいいから、まずは受験に集中しろ」

 

 

その友人からの救いの言葉のおかげで自分が受験生であることを思い出し勉強に集中できるようになったのです。
早く受験で一番の結果を出して、一日でも一秒でも早く、自分を救ってくれた友人にお金を返したい。
その想いが勉強に対して真剣に向き合うための力になりました。

 

 

お金を返してから受験を・・。ということも考えました。
しかし友人が
「受験終わってから返したほうが、勉強に身がはいるんじゃないのか?」
と言ってくれました。
彼はそこまで考えてくれていたのです。

 

 

そのおかげで私は都内の第一志望の大学に合格。
友人は大阪の大学に合格し、春にはそれぞれ新しい生活を始めました。
そこからやっとアルバイトを始めました。

 

 

とにかく一日でも早く返したかったので、大学の授業をサボることも頭をよぎりました。
しかし「彼に合格させてもらった」という意識が強くあった私は授業をサボれませんでした。
返済の催促は全くありませんでした。それも彼の度量の大きさのなせる技だったのでしょう。
加えて遠距離なので「踏み倒し」ができたのかもしれませんが、当然私はそんなことは想像すらしませんでした。

 

 

感謝の気持ちに強く背中を押されていた私は大学入学から2ヶ月後
10万円の返済を終わらせました。
今から思えば大した金額ではなかったかもしれません。
しかし、友人の心が込められたお金は、とても重いものだったと感じています。

 

 

友人はその直後の夏休みに大阪から三鷹市に住む私に会いに来てくれました。
その旅費は、返済した10万円
彼は冗談のように笑ってこう言いました。
「合格は俺のおかげだ!!感謝しろよ(笑)」
その通り!!
私は今でも変わらずに友人でいてくれる彼に心の底から感謝しています。
「借金にも心を込めることができる」
と私は友人から教えてもらいました。